新・新Hキョージュの環境行政時評2013秋

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2013・秋(その1)

未来予想図―原発再稼働とCOP19

秋の夜の夢想―脱原発トライアングル

Hキョージュ どうした?浮かない顔をして。

Aさん だって原発は再稼働に向けて進んでいるようで、なんとフクシマと同じ沸騰水型(後述)の柏崎刈羽まで再稼働申請しましたし、浜岡も申請準備中だそうです。
それだけじゃなく集団的自衛権の容認だとか特定秘密保護法制定、法人復興特別税撤廃、武器輸出三原則の見直しなどなど、とにかく安倍サンは、日本をロクでもない物騒な方向に進めようとしていると思えて仕方がないんですもの。
センセイ、なんか一つくらいスカッとする話はないんですか。

Hキョージュそうだなあ、 「2013冬(その4)」で話した水俣条約が先日採択され、政府ははやばやと署名をすませた。発効には50カ国の署名が必要で2,3年後になりそうだが、一歩前進にはちがいない。
あと、なにかあるかなあ。そうだ、先日の堺市長選で橋下サンの維新が負けた。

Aさん それでスカッとしたという話ですか。センセイは橋下サン嫌いですものねえ。でもそんなことで喜んでていいんですか?

Hキョージュ 違う、違う。そうじゃなくて、橋下サンとしては落ち目の三度笠、なんとしても起死回生の一打をと狙うだろう。

Aさん そりゃあそうでしょうね。

Hキョージュ 維新はもともと脱原発を唱えていたが、原発推進派の石原サンなどの太陽の党と一緒になったときに、脱原発路線を封印しちゃった。
政界を引退したはずのコイズミさんが突然脱原発を言いだしたのは知ってるだろう? 
機を見るのに敏な橋下サンのことだ、石原サンと手を切って、脱原発路線に回帰し、いまでも国民に人気のあるコイズミさんとタッグを組むことを画策すると思わないか。

Aさん コイズミさんって小泉純一郎元総理…ですか? 

Hキョージュ もちろんだ。キョンキョンのはずがないだろう。
コイズミさんの跡目を継いだ進次郎サンも、原発については推進派には距離を置いているようだ。もし父子が一緒になって脱原発を本気で言い、それに橋下サンが絡むとどうなるか・・

Aさん いまは雌伏した感のある小沢一郎サンも脱原発派だったですよねえ。小沢サンがそれに加わったらすごいトリオになりますねえ。

Hキョージュ はは、キミも言うね。小沢サンはマスコミ受けは悪いが、官僚をつかいこなせる実力者だという評判だった。
常識的にはありえない組み合わせだが、政界は一寸先は闇だと言うから、実現したら面白いかもね。

Aさん でもセンセイは、コイズミさんと橋下サンは嫌いだったですよねえ。小沢サンにしても、決して好きなタイプじゃないでしょう?

Hキョージュ そりゃあそうだが、好き嫌いの問題じゃない。今どの政党も頼りにならないから、脱原発のために悪魔とでも手を結ぶんだ。トロツキー流に言えば、「別個に立って一緒に撃て!」だ。
ところで彼らに共通した特徴があるのがわかるか?

「原発ホワイトアウト」を読む、その1、日本のモンスター・システム

Aさん は、なんですか?

Hキョージュ 選挙には滅法強いということだ。

Aさん それがどうかしたのですか。

Hキョージュ 電力マネーをまったくあてにしない政治家たちだから、電力会社や原子力ムラを敵に回しても平気ということだ。
政財官の深部でなにが起きているかをリアルに描いた、「原発ホワイトアウト」っていう小説が、講談社から先月出たんだが、すごく怖い小説だ。

Aさん アタシもちらっと読みました。作者は覆面の現役キャリア官僚とのことですね。

Hキョージュ うん、描かれているのは近過去から近未来。7月の参院選終了直後から物語はスタートし、来年1月2日までの話だ。
主人公は資源エネルギー庁次長と関東電力出身の日本電力連盟常務理事の二人。

Aさん 関東電力は東京電力、日本電力連盟は電気事業連合会と読み替えればいいんですね。

Hキョージュ さあ?(笑) ただ実際の主人公は人間じゃない、電力マネーと言うモンスター・システムだ。

Aさん そのシステムを読者のみなさんに紹介してあげてください。

Hキョージュ 「総括原価方式」って知ってるよね。電力料金は国の認可制だが、原価に適正な利潤を上乗せして決められるとしている。
電力会社は実態的には地域独占で競争がないから、この原価と言うのはかなり割高になっている。著者は2割くらい高いと言っている。
つまり、電力会社の取引先は20%も高く安定的に買ってもらえるから、電力会社サマサマになる。
そこでこの20%のうち4%を、取引先企業と電力会社でつくる法人格のない任意団体に実質的にキックバックさせる。この任意団体を電力会社が仕切り、表に出しにくい地元対策だとか政治工作に使うし、そこに与野党問わず政治家がむらがってくるっていう図式だ。
またこの任意団体にキックバックされる額の2割は、電力会社でつくる日本電力連盟に上納され、全国的な工作資金になる。
この連盟自体も驚いたことに任意団体で、国の関与は一切なく干渉もされないし、経理もまったく公開していない。

Aさん どれくらいになるんですか。

Hキョージュ 電力業界が外部に発注する金額は年5兆円になるそうだから計算してご覧。

Aさん 5兆円の4%、2000億円が地域ごとの団体に毎年流れるんですね。そして、うち2割の400億円が小説中の日本電力連盟、つまり電事連に上納され、合法的に好き勝手に使われちゃうんですか、スッゴーイ!

Hキョージュ そこにどういう風に政治家がむらがっていくかの一端が、詳しくこの小説には書かれている。
河野太郎サンもブログで概ね事実だろうって書いている。
反対派を切り崩し、罠にはめて、着々と政財官の中枢が再稼働と電力改革の骨抜きに向かって邁進していく姿を描いている。

 

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