年明け三題噺―「都知事選と原発政策」「総括COP19」「特集鳥獣保護法改正」

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2014・冬(その1)

年末年始の激動

Prof.H and Ms.A

Aさん―センセイ、沖縄の仲井真知事が年末に辺野古の公有水面の埋立を承認しました。 ところが年が明けてからの名護市長選では大差をつけての、反対派現職が勝利しました。

H教授 ―うん、仲井真サンはもう持たないんじゃないかな。安倍サンにとっても痛手だろう。石破某は、選挙戦途中に突然名護に500億円の基金を作ると言いだし、札束で頬をひっぱたこうとした。だが、負けた途端に、この話は消えてしまった。しかも政府は地元民意を逆立てするように、その二日後に埋立関連施設の設計業務の入札を開始した。品格を疑うねえ。   

Aさん ― 一方、来年度予算案は超大型のバラマキ。安倍サンは靖国参拝強行で米国からもレッドカードをもらう始末です。

H教授 ―ほとほとイヤになっちゃうねえ。

Aさん ―そうしたなか、 徳洲会病院事件から突然降ってわいた猪瀬サンの無利子・無期限の5000万円借金事件が発覚、あれよあれよという間に都知事辞職に追い込まれました。

H教授 ―猪瀬サンは攻めるときは舌鋒鋭く、傲岸不遜な態度だったけど、その人が、あまりにもお粗末な弁明を繰り返す醜態は見ちゃあいられなかった。 でも徳洲会との関係だったら、石原サンや亀井サンのほうが、もっと真っ黒じゃないかという話も聞こえてくるけどね

 


都知事選、原発政策を動かす?

Aさん―いずれにしても、年が明けて都知事選がはじまりました。舛添サンの圧勝かと思われていたときに、コイズミさんがバックについてお殿様の細川元ソーリが突然の参戦。 状況は錯綜していてよくわかりませんが、コイズミさんの仕掛けがうまくいけば、脱原発か否かが最大の争点になります。

H教授 ―じゃあ、まずは原発の話題といこう。 昨年5月に40人ほどで立ち上げられた、自民党の「電力安定供給推進議員連盟」と言う名の原発推進=電力利権族は、いまや140名に達した。昨年末には原発の速やかな再稼働、そして原発の新増設や建替=リプレースを公然と求めるに至った。

Aさん―そのくせ議員連盟の名簿も非公開だそうですよ。なんと卑劣なんでしょう。

H教授 ―まあ、民主党にも原発推進=電力利権族はごろごろいるけどね。 一方、原発30キロ圏の避難計画も立てないまま、早急な再稼働を求める原発所在地方自治体も目白押し。 状況は再稼働に向けての包囲網が狭まってきているようだ。

Aさん―それが、ここへ来て都知事選との絡みが出てきて、混沌としてきたんですね。 面白くなったんじゃないですか。それにしても、 センセイ、前回のセンセイの予言、半分だけですが当りましたね。

H教授 ―は、なんのことだ?

Aさん―「コイズミ・橋下・小沢脱原発トライアングル」ができるんじゃないかという話をされてましたが、橋下サンの代りに細川サンという大物が入ったトライアングルです。さらに元ソーリがもう一人、菅サンも支援の輪に加わりました。

H教授 ―その都知事選だが、まったく予想がつかない。

Aさん―それだけ伯仲しているんですか。

H教授 ―そうじゃなくて、浮動票が大半だろうから、どうなるか全く見当がつかないんだ。 自民党も公明党も隠れ細川派、反舛添派がいそうだし、民主党のほうも隠れ舛添派がいそうだ。民主党のバックにいる連合は電力労連の圧力で舛添支持に回っちゃった。維新は田母神サン支持と細川サン支持に真っ二つ。 驚いたのは本番では問題外だと思われている田母神サンが、ネットではダントツの一番人気になっていることだ。ネトウヨがここまで異常増殖してきたかと思うと、不気味だ。

Aさん―舛添サンは自民党の使命は終わったと飛び出し新党を結成し、自民党から除名された人です。だのに自民党が担ぎあげたんですね。ヘンなの。

H教授 ―除名取り消し処分もしないままだもんな。

Aさん―だから都連は推薦したけど、党本部は公式には推薦できなかったわけですね。ところが細川=コイズミ参戦で泡食って、党本部が正面に出ざるをえなくなりました。

H教授 ― でも小泉進次郎サンや元妻の片山さつきサンは納得せず非協力的だ。
都知事選は終盤になると、ネガテイブキャンペーンの応酬になるんじゃないのかな。 舛添サンの私生活は口にするのも憚られるスキャンダル続きで、人間性に?マークが付く。細川サンも佐川急便のカネの話。脱原発細川一本化に応じなかった宇都宮サンも、前回選挙の際の内輪もめが公になり、公職選挙法違反だと言う指摘がなされている。

Aさん― 都知事選で原発をテーマにするのはおかしいという議論がありますが、どうお考えですか。

H教授 ―もし、おかしいと思うのが都民の大勢だったなら、惨敗するだけの話だろう。都知事選を重要なシングルイッシューを問う場にしたっていいと思うし、いまは非常時でそうすべきだとさえボクには思えちゃう。
でもねえ、細川サンでなく、いっそのことコイズミさんが立ってくれればと思った。

Aさん―センセイ、コイズミさんには批判的なんじゃなかったんですか。

H教授 ―今だってそうさ。だけど細川サンよりもコイズミさんの方が都知事に当選する可能性はより高いだろうし、当選すればブレることなく「脱原発」で安倍さんをどんどん追い詰めてくれそうだ。

Aさん―そうなると再稼働はふっとんでしまう可能性があるし、安倍サンのリーダーシップは失墜、政界再編成は必至になったかも知れないとおっしゃるんですね。

H教授 ―コイズミさんが細川サン支援を明確にすると、それに呼応するように河野太郎サンなどの自民党の脱原発依存派の「エネルギー政策議員連盟」は、原発を過渡期電源と位置付け、原発依存度を下げる工程表を示すべきという提言をまとめたそうだ。


エネルギー基本計画改定をめぐって

Aさん―そうなるとますます「エネルギー基本計画」は重要ですね。この改定の話はどうなったんですか。

H教授 ―はは、細川=コイズミ参戦の話がでてくると、政府与党側は慌ててしまった。原発は「重要な基盤となるベース電源」と明記した新しいエネルギー基本計画が決定寸前まで行ったんだが、閣議決定を都知事選のあとまで延期するそうだし、「重要な基盤となる」という文言は見直すそうだ。

Aさん―ぷっ、そりゃあ、姑息ですねえ。そもそもエネルギー基本計画ってどんなものなんですか。

H教授 ―「長期エネルギー需給見通し」の上位に立つ、基本的な方針で、経産省の所掌になっている。 原発政策については、内閣府の審議会である原子力委員会というのがあり、そこで「原子力政策大綱」というのを決めていたのだが、この大綱は廃止し、原発政策はエネルギー基本計画で扱うことにしたそうだ。 原発推進に凝り固まった経産省という一省庁が、原発政策も含めたエネルギー基本計画を牛耳るなんて、改悪そのものだと思うよ。    

Aさん―その経産省案が先延ばしされたんですね。

H教授 ―うん、経産省は総合資源エネ調査会基本政策分科会に原案を提出、それをほぼ丸飲みした分科会案が出され、今月に閣議決定する予定だったんだけど、それを急遽先延ばししたわけだ。 内容だが、さっき言ったように、原発維持で、安全性が原子力規制委員会で確認され次第、再稼働するということを明記している。 ただ、産業界や自民党の原発推進派から盛んに求められていた、原発の新増設、建て替え(リプレース)を認めるかどうかについては、原案では触れられていない。 トルコとの原子力協定(2013夏その3)の国会承認を、今国会では見送ったことと合わせて、これも一種の「コイズミ効果」だろうが、それでもおさまらなかったということだ。

Aさん― 新増設見送りだったら、40年廃炉を前提とすれば、(2012冬その4)2050年には原発ゼロで温室効果ガス80%カットを目指さなきゃいけないと言うことですね。

H教授 ―新増設については、虎視眈々と次の改定機会を狙うし、40年廃炉はあくまで原則で、例外だらけにするつもりだろう。経産省幹部はそのことを公言しているという話だ。                                     

Aさん―でも3/11以後の1000日でわかったことは、大規模停電だなどと散々脅されたけど、原発なしでもエネルギーは足りるということでした。となると残るのは、燃料代が高くなり、経済にマイナスだという言い分と、あとは温暖化対策に寄与するという建前だけですね。

H教授 ―だけど原発なしでも経済指標は好調じゃないか。デフレ退治なら、燃料代が高くなって物価が上がることは、いいことじゃないのか? 

 

フクシマと東電の将来

Aさん―フクシマは、4号炉の燃料プールからの、使用済み核燃料の移設作業がはじまりました。 廃炉に向けての第一歩ですが、1〜3号炉のメルトスルーした核燃料の取り出しなどは全くメドは立ってません。下手すれば100年単位の時間が必要かも知れません。 汚染水の問題にしても全く解決の見通しはありませんし(→2013その3)、フクシマだけで数十兆円、或いはもう一ケタかかるんじゃないかと言われています。

H教授 ―東電一社で対応できるはずがない。破綻処理して、国がやらなきゃしょうがないだろう。       

Aさん―でも、そのための前提として、東電の株主や銀行などの出資者にも応分の負担をしてもらわなきゃいけないし、企業年金だって大幅減額し、そして過去の経営陣にも資産を拠出してもらわなきゃいけないですね。
もちろん東電の資産も全部競売にかけてもらいましょう。                              

H教授 ―例外のない規則はない。国立公園のシンボル、尾瀬だけは国有地にすべきだと思うけどね。

Aさん―えー? あの尾瀬の地主は東電だったんですか? 知らなかった…

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