GWとは無縁に、キョージュ、最新環境トピックを論ずる

高浜原発3,4号機再稼働差止め仮処分決定是か非か、2030年温室効果ガス削減目標策定大詰めに、名は体を表すか・国立公園名称論

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2015・春(その1)

Aさん ―センセイ、ネパールが大地震に襲われました。

Hキョージュ ―犠牲者は増える一方のようだ。お悔やみを申し上げるとともに、一日も早く行方不明者や取り残された人々が救出されることを祈ろう。

Aさん ―あんな内陸の世界の屋根のようなところでも大地震が起きるのですね。

Hキョージュ ―元々ヒマラヤ山脈はプレートが衝突してできた大山脈だ。今も地下ではプレートが別のプレートの下に潜り込んでいっていて、地震の多発地帯なんだ。 つい先日、チリで大噴火があったというニュースも流れた。世界的にも地殻変動が活発になりだしたのかもしれない。

Aさん ―日本は明らかに火山活動の活発期に入ったらしいですね。

Hキョージュ ―うん、で、内閣府は1月下旬に、防災協議会設置や避難計画作成を義務付けるよう活火山法の改正を決めた。

Aさん ―GWですけど、火山に登ろうとする人は慎重な行動が必要ですね。センセイはGWは?   

Hキョージュ ―(憮然として)ぼくはサンデー毎日(毎日が日曜日)だから関係ない。 

Aさん ―あ、そうか。でも大学はカレンダー通りどころか、祝日も授業だそうです。

Hキョージュ ―うん、5,6年前から1セメスター14回だか15回の授業をきちんとやるように文科省からお達しがあった。そうすると夏休みや冬休みを短縮しない限り、祝日を何日か授業日にしなきゃいけなくなった。なんとも世知辛くなったものだ。

「環境漫才の世界」出版!

Aさん ―ところで、この時評のガイド本が出ましたね。

Hキョージュ ―うん、「環境漫才の世界―Hキョージュの環境行政時評」と題して関学出版会から4月に出された。ネット書店でも取り扱っている。

Aさん ―万一増刷されれば、その分からは印税が出るんですよね。もしそうなったら、アタシ婚活経費、センセイ終活経費の足しにしましょうね。読者のみなさん是非買ってください!   

Hキョージュ ―シュ、終活経費?(絶句)

辺野古の攻防

Aさん ―センセイ、二度にわたって統一地方選挙が行われましたが、民主党の一層の衰退が目立ったくらいで、国民の関心も低いままで終わりましたね。

Hキョージュ ―世界はどんどんきなくさくなってきている。そんななか安倍サンの危なっかしい国権強化の動きが強まっている。今日(4月28日)の新聞には、日米防衛指針を改定し、地球規模で米軍支援を可能にするなんて、「飛んで火に入る夏の虫」さながらの話がでていて、仰天した。かつての自民本流ロートルまでもが安倍サン批判の警鐘を乱打しているというのに、自民党内には抵抗はないようだし、世間の反応も鈍い。知事選は大半は与野党相乗り、市区町村長選では無投票も多いし、投票率は低下の一途。本来は政治の季節のはずなんだがねえ。

Aさん ―でも沖縄が熱く燃えているんじゃないですか。

Hキョージュ ―うん、辺野古では7月埋め立て着工を目指して、現地の抗議をものともせず、政府、つまり沖縄防衛局はボーリング調査を強行している。翁長知事は工事停止指示を出し、それに対し農水省は指示停止の執行停止とチャンチャンバラバラが続いている。

Aさん ―知事と農水省の権限関係はどうなっているのですか。

Hキョージュ ―埋め立ては公有水面埋立法に基づく知事の埋立免許が必要だが、それだけじゃないんだ。水産資源保護法と言う農水省所管の法律があって、それに基づき各県では漁業調整規則というのを設けている。ボーリング調査に伴う岩礁破砕については沖縄県漁業調整規則に基づく県知事の許可が必要なんだ。前任の仲井真知事のときに埋立免許だけでなく、この許可も出していたんだが、翁長知事は許可範囲を超えての岩礁破砕がなされた可能性があるとして、その実態把握のために、工事の一時停止指示を出した。それに対して防衛局は行政不服審査法に基づいて、規則の根拠法である水産資源保護法を所管している農水大臣に申立てをした。農水大臣は、裁判所の仮処分のような緊急対応として知事の停止指示の執行停止を決め、工事続行を可能にしたんだ。 

Aさん ―法的には正当なんですか。

Hキョージュ ―行政不服審査法の目的は「国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図る」ことにある。県が司法に訴えたとき、司法がどう判断するかだけど、一般人の感覚じゃあ、国の機関である防衛局がこの法律に基づいて申し立てをすることに違和感を感じざるを得ない。

Aさん ―農水大臣のほうが県知事より権限があるわけなんですか。  

Hキョージュ ―地方自治法っていう法律がある。2000年以前は自治体の仕事は本来の仕事――これを「固有事務」と言っていたんだけど――と国の仕事の一部を代行する「委任事務」とがあって、この委任事務に関して国の指示に従わない場合は、知事の罷免までできるようになっていた。ま、流石にこの罷免規定は1991年になくなったけど、いずれにせよ、地方自治と言うのは国に与えられたもので、国と自治体とは「上下・主従」の関係にあった。 だが地方分権と言う流れの中で、そんな時代じゃないと言う声が大きくなり、2000年に地方自治法の大改正が行われた。知事罷免権はなくなったし、委任事務は法定受託事務と名も変え、「対等・協力」の関係に変わったとされていた。漁業調整規則も法定受託事務ということになるんだろうが、「対等・協力」の関係に変わったと言うのは建前だけだったということだろう。 沖縄県が提訴に踏み込んだり、許可取り消しの処分を行うかどうか、しばらく目が離せない。

Aさん ―法律の話じゃなく、政治の話としてもおかしいんじゃないんですか。

Hキョージュ ―うん、辺野古について名護市の市長選も市議選も埋立反対派が勝利。2010年の県知事選も現職の仲井真サンが埋立反対を公約することで再選を果たせた。つまり沖縄の民意は拒否と決まった。 だが、その仲井真さんが突然転んでゴーサインを出してしまった。だから昨年の知事選では惨敗し、埋立反対を明言した翁長サンに替った。埋立拒否の沖縄の民意はさらに強固になったと言えるだろう。(→2014秋その3

Aさん ―それに対して安倍サンや菅サンは埋立の手続きは終わったとして、知事との面会も拒否し、工事に着工。しかも沖縄振興費を大幅に減らすという兵糧攻めにしちゃったんですね。ま、それでもつい先日ようやく翁長知事と安倍サンとの面談が実現しました。

Hキョージュ ―単に統一地方選対応だったんだろう。琉球奄美の世界遺産登録に悪影響がでなけりゃあいいけどな。(2013冬その3)  でもこんなことしてたら沖縄独立論が出てもおかしくない。沖縄は明治はじめの琉球処分まで琉球王国として独立〜半独立状態がつづいていた。アイヌの北海道と同様、大昔っから日本と言うわけじゃなかったんだ。

Aさん ―アイヌと沖縄の人々は遺伝的に近縁で、縄文人の血が濃厚だと言われていたこともありましたね。純粋なアイヌは激減しましたけど、沖縄はそうじゃないですもんねえ。

Hキョージュ ―うん、ついでに言っておくと、南千島は千島列島の一部だというのは陽の目を見るより明らかだ。ポツダム宣言とサンフランシスコ条約で千島列島の所有権の放棄を明言している以上、日本領ではなくなった。だがロシアの占拠も国際法上根拠のないのも明らかだ。だったらいわゆる北方領土はアイヌ自治共和国とすべきだと思うんだけどなあ。

Aさん ―センセイ、「陽の目を見るより明らか」じゃなく「火を見るより明らか」でしょう。

Hキョージュ ―・・・(赤面)

この三か月間の動静

Hキョージュ ―さ、本番に入ろう。まずは2月からの3か月間、どういう問題が生起したかをざっと見ておこう。

Aさん ―原発・フクシマ関連では4月に高浜3号機、4号機の再稼働差止めの仮処分がありました。で、その2週間後、川内原発ではまったく逆に差止め却下の決定が出ました。

Hキョージュ ―その話はあとでじっくりしよう。ほかには?

Aさん ―原発関連では、1月中旬に日本も原発賠償条約の締結国になり4月には発効しました。また2月中旬には経産省の作業部会が、高レベル放射性廃棄物などの地層処分は国が前面に出て候補地探しをするという基本方針を了承した(2013夏その3)とかのニュースが流れました。さらに中間貯蔵施設への汚染土の搬入を地元が容認しました。東電は1月末には高濃度汚染水の年度内処理の断念を表明。また雨のたびに高濃度汚染水が港湾外に流出していたことを東電は知りながら、情報を公開しなかったことが発覚しました。 

Hキョージュ ―再稼働の方では運転開始以降ほぼ40年になる美浜3号機と高浜1,2号機の新規制基準適合性審査を原子力規制委員会に申請した。まもなく運転期間延長も申請するはずだ。 電源割合については年明けから経産省の委員会で議論がはじまり、6月までに2030年の電源割合を明示するとしている。この話もあとでじっくりやろう。  

Aさん ―2020年までの発送電分離を目玉にした電力改革法案が国会に提出されましたが、骨抜きになるんじゃないかと懸念されています。ほかにも2月にはアスベストの救済認定者が1万人を越しました。 なんか一つくらい前向きな話はないんですかねえ。

Hキョージュ ―そうそう、国立公園と国定公園が3月に一つづつ増えた。この話もあとでとりあげよう。
また一般廃棄物処理は市町村の責任になっているが、巨大自然災害で対応ができなくなるときどうするかの規定がなかった。東日本大震災では急遽特措法で国が代行して広域処理するようにしたけど、このほど関連法を整備して、そういう規定を入れるようにするそうだ。 
ま、ほかにもいろいろあるが、このあたりにして、まず仮処分の話と行くか。

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