第99講 未曾有の国難の只中でー東北関東大震災と原発事故

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第99講 (その1)

(大震災勃発! 大津波襲来!)

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Aさん―センセイ、大変なことになりました。アタシ、11日の夕方から、なにも手が付かず、10日間ずうっとTVの前に張り付けになりました。

H教授―うん、東北関東大震災だね。ボクもそうだった。切歯扼腕するだけだった。 謹んで亡くなられた方のご冥福を祈ろう。(二人して黙祷)
そして、一日も早く行方不明の人たちがみつかることを願うとともに、家屋財産すべてを失い辛うじて避難された方々に心からお見舞いを申し上げよう。
とりあえずできることとして、学部内の教職員に義捐金を呼びかけたけど、あと何ができるか考えていかなくちゃあいけないと思ってる。
(→関西学院大学総合政策学部HP

Aさん―ええ、アタシもささやかな義捐金を出す以外になにもできない自分がただ歯がゆくて。
ねえ、センセイ、あの画面見ていたらあまりにも切なくて、オカネだけじゃなく、数回着ただけの防寒具をはじめとした衣類や比較的新しい毛布などを送ろうと思ったんですが・・

H教授―自治体で受け付けているが、受け付ける品物も限定的で、しかも新品、または新古品、つまり一度も使用していないものに限るとしちゃっているんで、びっくりしただろう?

Aさん―ええ、新品を買って送るくらいだったら、オカネのほうがよっぽどいいんでしょうが、中古品でも清潔なものだったら被災者の人たちに喜んでいただけると思うんですけど。

H教授―その通りだと思うよ。でも中古品で万一なんらかのトラブルが起きたり、クレームがつくことを恐れてのことなんだろう。
なかには廃棄物処理と間違えたようなひどいものを送る人もいるかもしれないが、そんなのはごく一部だし、それだって或るNGOの人に言わせると、寒い時期だから焚きつけぐらいにはなるそうだけどね。

Aさん―それにしても東北関東大地震はすごいものでしたね。

H教授―宮城沖で起きたあの地震はマグニチュード(→98講その3)なんと9.0という日本ではいまだかつてなかった規模の未曾有の大地震だし、とんでもない規模の大津波が東北地方太平洋岸を襲った。そして大きな余震がいまも断続的に起きている。
死者は21日現在で8,000人を越し、安否不明の人は18,000人を越えている。多くの避難所にいる人は34万人以上だし、避難所に入りきれず、電気・水道・ガスといったライフラインが切られたまま別のところで救いを待っている人も大勢いる。 これはまさに戦後最大の国難といっていいだろう。

Aさん―それだけではありません。
福島県では絶対安全だと言われていた原子力発電所で、起こしてはいけない、絶対起こらないはずの事故が起きてしまい、これからどうなるか予断を許しません。

H教授―その話はあとでまたしよう。
それにしても三陸の沿岸って、ボクにとって特別の意味を持つ地域なんだ。そこがあんなことになるなんて夢にも思わなかった・・・
三陸沿岸は昔から大好きなところで、もうこれまで30回は行ってるだろう。去年のGWにも石巻、南三陸、気仙沼、田野畑、宮古を訪れた。
ボクは趣味の世界でいろんな駄文を書いているんだけど、そのときのペンネームが「越喜来 翔」。筆者個人ページ「越喜来翔」
越喜来っていうのは大船渡の北にある地名なんだけど、それくらい思い入れがあるところなんだ。この越喜来も壊滅的な打撃を受けたようだ。

Aさん―それにしても救援物資がまだ余り行き渡ってないようですね。
被災地に行く道路がズタズタになりましたし、かといって、海路のほうも港湾施設が壊滅状態だからでしょうね。
でもヘリコプターからどうして投下しなかったのでしょうね。

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H教授―自分でウラを取ったわけじゃないが、危険だし、投下したものが割れるかもしれないというので、法律で禁じられているのだそうだ。この話を聞いたときは怒りで髪の毛が逆立ったよ。
生きるか死ぬかと言うこの非常時に何をバカなことを言ってるんだってね。
そんなもの、超法規的措置でやるって菅サンが宣言すれば、国民は納得すると思うよ。
あと、昔は貨物列車と言うのが活躍したんだが、今では大部分はトラック輸送にとってかわられたみたいだ。でも、こういう被災時なんかは、貨物列車が活躍できるときじゃないかなあ。

Aさん―それにしても廃棄物の処理だけで1年くらいはかかりそうですね。とにかく膨大な量ですものね。

H教授―うん、ひょっとすると何百万トンというオーダーになるかも知れない。これも超法規的措置が必要になりそうだな。でも阪神淡路大震災のときもそうだったが、廃棄物処理法にこういう非常事態を想定しての特例規定ぐらいは置いたほうがいいような気がする。

Aさん―でも海外ではこんな事態になっても、略奪も暴動も起きていないと賞賛されているらしいですね。

H教授―物不足のなかでも暴利をむさぼるという話もあまり聞こえてこないしね。
秀吉の刀狩で牙を抜かれたという見方もあるかもしれないけど、ボクはやはり日本人には昔から地縁血縁といったウチ社会での相互扶助のDNAが息づいているんだと思うよ。
共有というのはみなが無責任に自分だけの利益を図るため失敗するという、ギャレット・ハーデインの言う<コモンズの悲劇>を、日本人のコミュニテイは超克したんだ。
でも江戸時代にも圧制・失政が限度を越すと一揆が起きたように、限度を越すと怒りが爆発するかもしれないということを施政者は知っておいたほうがいいだろう。
あと、多くの諸国から支援の申し入れがあり、実際に支援部隊を派遣してくれているのは、うれしいし、ありがたいね。 

(首都圏の混乱)

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Aさん―東北地方だけじゃありません。長野・新潟あたりでも余震とは言い切れないような大きな地震が起きています。
首都圏でも相当の揺れがあったようですが、問題はそれ以降です。
原発事故の影響も手伝ってなのかもしれませんが、首都圏でも食料品やトイレットペーパーや災害関連グッズが払底したりしているみたいですし、ガソリンや灯油も品不足らしいです。

H教授―被災地での生産ラインの壊滅で、ほんとうに品不足になったのか、被災地にいる自分の家族・親類・縁者のための買いだめなのか、それとも不安感にかられての群集心理での買いだめなのかは定かではないけどね。

Aさん―あと東電も東北電力も計画停電とやらで、混乱しているみたいです。

H教授―東電のやり方も拙劣、というか愚劣だけどね。医療施設や鉄道、公共施設まで計画停電の対象にするなんてあまりにもおかしいだろう。かといってまったく計画停電をしない地区もあったりして、よくわからない。
それにしても市民に節電を訴え、停電騒ぎで盛り場も暗くなっているというのに、25日にセリーグ開幕、東京ドームで煌々とナイター試合をしようとしたなんて、余りにもひどすぎるよね。
コミッショナーもセの球団社長も誰一人ナベツネにノーと言えなかったのかと思うと、あまりにも悲しくなるよ。その癖、政府に言われると、あっさりと言を翻す。まるで小学生だ。

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